どうも、せっかくのネタなので新鮮な内にブログの記事にして閲覧数を稼ごうと考えた座布団です。閲覧数を稼いだところでお金は1セントも稼げないのですが。
Twitterをご覧になってる方はご存じかと思いますが、最近英語版ヴァイスシュヴァルツで発売された「Batman Ninja」が海外ではちょっとした話題になってます。
強力なテキスト、米国IPならではの一風変わったイラスト、サインカードの価格…とかではなく、なんと海外のアニメイベント限定のティーチングデッキのカードが注目されています。
(注:この記事は一部ウザったい書き方をしています。あまり気にせずに読んでください)
ティーチングデッキとは?
海外のアニメイベントでヴァイスシュヴァルツ、あるいはTCGに初めて触れる人にルールを説明するために極力簡単なテキストのみを収録したもの。基本的には旧トライアルデッキと張り合えるくらいの弱いデザインです。
2年前のサンシャインおためしセットを知っている方はイメージしやすいかもしれません。
画像は遊々亭様(yuyu-tei.jp)より
これまではミルキィホームズのものが使われていたのですが、海外にミルキアンがいないのをやっと察したのか、バットマンによる新規層獲得を狙ったのか、今年新しくバットマンのデッキが使われ始めました。せっかくのアニメ大集合TCGなんですから皆の知ってる作品を使うのは当然ですよね。
問題のカード
こちらです。デデン!
画像はJKTCG様(jktcg.com)より
Batman: Infiltration
【自】 このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは自分のクロックの上から1枚を、控え室に置いてよい。
流石ティーチングデッキというべきか、査定がちょっとおかしいですね。ドヤ顔のくせに大したことない。パワー500どこ行った。
まあこれ一枚では全く問題にならないのは一目瞭然ですよね。では次のカードをご覧ください。
画像はJKTCG様(jktcg.com)より
Gorilla Grodd: Decoy
【自】[(1) このカードを手札に戻す] このカードがフロントアタックされた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分の手札の「Batman: Infiltration」を1枚まで選び、このカードがいた枠に防御キャラとして置く。
「“大ピンチ!”ルン」と同じテキストです。レベル1に先上がりしたのにリバース連動が解決できないともどかしいですよね。
…聡い方は気づいたと思いますけどこのカードの入れ替わり先の「Batman: Infiltration」は上のレベル3です。つまりレベル0で1コスト+アド損なしで3/2 10000ヒールをスーパー超絶早出しできちゃいます。言峰神父や槙島先生もストレージの奥でビックリしてるでしょう。日本ブシロードさん、PSYCHO-PASSの追加お願いします。
この2枚の問題点は当然、弱いとはいえパワー10000・ソウル2のヒールが最速後攻1ターン目で出てくるのが一番わかりやすいでしょう。しかし、レベル3のバットマンを採用してなくても相手がレベル3の早出しを警戒していればGorilla Groddをフロントアタックするわけにはいかず、Gorilla Groddが実質無敵のレベル0になってしまうのも大きな問題です。
どうしてこうなった
(この辺から少し真面目になります)
当然ブースターにティーチングデッキ専用サポートが入っていたわけではありません。ブースターにはちゃんと同名異能力カードがあります。
画像はJKTCG様(jktcg.com)より
Batman: Infiltration(ブースター)
【永】 あなたの後列のキャラが1枚以下なら、このカードはアタックできない。
【永】 他のあなたのキャラすべてに、次の能力を与える。『【永】 このカードはサイドアタックできない。』
「ライブ衣装 叡智佳」と同じテキストですね。上のテキストはレベル0で登場させたときにかなり邪魔そうです。見てわかる通り、本来の動きだとGorilla Groddは大したカードではありません。
一番のミスはティーチングデッキのカードをブースターの同名カードと同レベルの劣化版にしなかったことだと思います。具体的にはTD+のレベル3ヒールを3/2 10000ヒールにしたり、集中の他のテキストを消すなどすれば良かった、ということです。ティーチングデッキの弱いカードがまさか使われると思わなかったことからチェックが甘かったのでしょうが、そもそも元から回避できた問題だとしか言えません。
ちなみに上記のサンシャインのおためしセットではそうしていたのでこういった問題は起こりませんでした。いいお手本があったのにそれを見習わないのは何か理由があったのでしょうか。
現在の状況
- 英語版ヴァイスの通販サイトのGorilla Groddの値段が他のコモンカードより高くなってます。
- ティーチングデッキをイベント参加者から買い取ると言う方が続出。地区常連入賞プレイヤーや世界大会の公式実況者もそういったことを言っていました。当然だと思います。
- SNSの公式アカウントに苦情やクソリプが飛んでいるにも関わらず、7月24日時点で公式からの声明や発表無し。(https://www.facebook.com/509903922385060/posts/2862111920497570/)
約1ヶ月後に後期最初の地区大会が控えているのにこの問題について一言も発してない公式には正直呆れてます。
確かにティーチングデッキを配った初心者が見つけたコンボを大会で禁止するのは気が引けますし、英語版初の禁止・制限が運営のミスの修正のためなんてことになったらカッコ悪いですが、健全な大会環境を保つために必要なことをちゃんとやっていただきたいです。ベストな解決法を検討しているのなら、検討中だということをプレイヤーにしっかり伝えるべきだと思います。
元々実戦で使われる事を想定していなかったのだからティーチングデッキのレベル3とGorilla Groddの2種選抜にしても問題はないはず。カード名をエラッタするのもいいでしょう。交換対応レベルのエラッタなんてもう何度もしてるんですから今更1枚増えても何てことありません。
最後に
私個人はあまりテキストに興味をそそられませんでしたが、海外IPを取り入れる試みは英語版にとっていいことだと思います。違ったテイストのイラストは新鮮でしたし、新規層は確実に入ってくるでしょう。それだけに今回の件とその対応は非常に残念に感じます。英語版限定タイトル両方でトラブルがあったのはカッコつきませんけど、これからも(なるべくミスなく)チャレンジして欲しいものです。
7月30日追記:
Gorilla Groddとレベル3のバットマンに2種選抜がかかりました。英語版初の制限をこういう形で実質緊急制限として出してしまうのはかなりカッコ悪いと思うのですが、一応問題は解決しました。
かっこいいのでブースターのSP画像を貼って締めます。